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これは今村祐 子さんとの会話から。
アメリカにいる日本人として、やっぱ外国人なので、色々考えてしまうんだけ ど、あるアメリカの一点、好きか嫌いかで祐子さんとはっきり意見が別れたの で、これは面白い、と思った。
知っての通りアメリカというのは色々な民族がいる国です。で、色々な民族が いると、当然、民族間に軋轢が起きる訳です。軋轢は、差別や暴動を引き起こ すので、良くない訳ですが、それを解決するためにアメリカ人が何をしている かと言うと、全民族の上に「アメリカ」というスーパーな存在を作り上げて、 違う民族をその中に取り込むんだな。白も黒も黄色も赤も、アメリカ市民権を 取得すれば、「君もアメリカ人だ!仲間だ!!」というふうに包み込むんです な。そして、マクドナルド・ハンバーガーというのは、ある意味でその象徴的 なものだと思う。アメリカである限り何処に行ってもマックはあるし、何処に 行っても同じ味だし、アメリカ人である限りマックを出しとけばまあ文句は言 わないでしょう、と。
祐子さんが言っていた文句と言うのは、アメリカには diversity はあるけど、 奥行きが無い、という事。誰もがマックに来てオッケーなようにマックの味を 作るから、全然どうって事の無い(おいしくない)ハンバーガーが出来上がる。 髪の毛にも色々な色があるけど、日本人の同じ黒髪の中でも色々違いがあると いう事には気付かない。感性豊かじゃない。そういう意味で、彼女は、「マッ クが全てを吸収して行く」というのを、否定的な意味で言ったんだな。
でも、私は、「マックが全てを吸収して行く」を、肯定的に捉えた。アメリカ にも、人種差別はもちろんものすごくたくさんある訳だが、この国は、とにも かくにも白人以外の民族もアメリカに住んでいい、教育受けてもいい、仕事し ていい、結婚していい、という、贅沢を言わない限り困らない権利が保証して いる(※1)。そして、それはいい事だよね。我々はそれに恩恵を受けている、 でしょ。ところが、異民族がここに生きる権利を保証してしまったら、民族間 の対立はもう避けられない。それを解決する為に、対立する者同志に連帯感を 持たせようと、共同幻想「アメリカ」を提供する。これは、筋が通っているで はないですか。「アメリカ」はまやかしだろうけど、みんながそれを必要とし ているのではないかな。マックに行ってビッグマックとコークで安直に、「あ あおいしい、あたしってアメリカ人」とみんなが思えるという事が、この国の 安定に非常に大事なのでは。
※1 我らが日本では、全然違うからね。外人だと言うとアパート入れてくれな い事はたくさんあるし、韓国人学校に行くと、大学検定を受けない限り、大学 に入れない。そんな滅茶苦茶な。